春の門出の日
友人が結婚した。
入籍の日が、こんなポカポカとした春の良い日であるところさえ彼女らしいと思えた。
彼女とは高校からの付き合いになる。他の友人たちと一緒に散々馬鹿なことも真面目なことも話して、この歳まで仲良くやってきた。
彼女から結婚することになったと報告された時はあまり大きな感慨が湧かず、己の薄情さに些か驚いたものだけれど、いざ入籍したという報告を目にすると、嬉しさと寂しさが去来する。婚姻届が受理されたというメッセージを読んだ会社の休憩室で、私は涙を堪えていた。
これは何に対する寂しさなんだろう。彼女はこれからも彼女のままで、私と友人でいてくれるだろうし、私との関係が変わるわけでもないのに。不思議だ。
彼女は私と違って真面目で、勤勉で、日々のコツコツした努力ができる優しい人だ。どんなに疲れていてもきちんと日々を送る努力ができる人だ。
そういう人が幸せを手にするのだなと思うし、手にする世界であって欲しい。
結婚おめでとう。この先も幸せであれ!